内海の家

洗面・脱衣室やトイレの前の廊下にあたる部分を少し広くとってフリースペースとしています。左側は、作り付けのクローゼットや収納にして、右側の洗面・脱衣室側は、タンスなどを置くためのスペースにしています。

朝のお出かけ前、帰宅後の部屋着、入浴前の着替えなどが、このスペースで完結するため、洗濯後の衣類の整理収納やクリーニングから戻ってきた衣類の整理などが楽にできるようになっています。

壁と建具、そして天井はシナベニヤ、床はスギのフローリングです。建具枠とサッシの額縁はホワイトアッシュです。


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内海の家の和室というより、畳のある部屋。

正方形の縁なし畳に合わせて、天井のクロスの張り分けをしています。
掃き出し窓側は板縁を設けて、不意の雨の振込みに対処するとともに、部屋の広がり感にも貢献しています。
腰窓の障子は二枚とも壁側に引き込むことができます。

畳のある部屋を設計する機会が減ってきておりますが、こんなカジュアルな畳空間はいかがでしょうか?
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階段を上がったところから、キャットウォークを見返しています。左に見える4つの小窓は4人の家族を象徴したデザインです。床材と天井材は、スギを使用しています。床材は徳島から取り寄せました。壁を珪藻土とすることで、スギの節があっても、うるさく感じないようになっています。

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キャットウォークは、個室からのアプローチとなります。スノコにしていますので、軽快な感じになりますが、ちょっとお掃除が大変かもしれません。スノコの下には照明が仕込まれていますので、夜はスノコの間から光が上にも漏れてきます。内海の家では、建具の枠など、内部の造作材にホワイトアッシュを使用しています。木目代わりとはっきりしていて、タモ材に近い感じですね。

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2階の個室です。吹き抜けに面して、全面に建具を仕込んであります。天井までの建具を開けると、天井が個室から吹き抜けへと連続するようにしてあります。これも、広がりを感じさせる仕掛けの一つです。下枠は、吹き抜け側を高くすることで、万が一にも建具が吹き抜けが和に落ちることの無いように配慮しています。また、ここの建具については、壁と同じ色のオスモカラーで塗装してあります。

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階段を上がったところの、小さなホールには、夏場の熱気抜き用の小窓を天井近くに設けました。当然手が届かないので、チェーンオペレータによって操作します。正面右下は、便所のドアですが、ちょうどチェーンオペレータが垂れてくる位置になったので、個室入り口の建具枠に、小さな木のピースをつけて、チェーンフックをつくりました。
和室と台所、それからフリースペースの写真を御紹介します。

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主寝室は和室です。縁なしの半帖畳は、施主のM田さんの要望によるものです。天井は畳の割り付けをモチーフにデザインしました。ノイエローブという織物のクロスを市松模様に貼っています。写真正面の窓障子は二枚とも左側に引き込むことが出来るようになっています。襖は、鳥の子紙です。プレーンでいながら、ハリのある感じがとても好きで、よく提案しています。

この住宅は、最近では珍しくなってしまいましたが、土壁仕様となっています。竣工してしまうと判りにくいのですが、竹木舞をつくりそこに、土をつけていく昔ながらの工法を採用しました。コスト的には、やはり多少高くなってしまいますが、土が持つ調湿効果や、特に夏場においては夜の間に土の中に蓄えられた水分が自然に蒸発することで、天然の輻射冷房の効果も期待出来ます。よく、土壁の家は夏涼しいと云われる由縁です。

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主寝室の見返しです。居間からの繋がりを意識しており、板縁の部分は居間と連続しております。畳と天井の関係がよくわかっていただけると思います。また、正面の襖を開けることで、視線が抜けていきますので、空間の広がりを感じることが出来ます。

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台所です。いろいろと検討した結果、対面キッチンの採用は見送られました。ただし、この壁付けのレイアウトの場合、食器棚の配置が問題となります。そこで、流し台を広く取り、さらに、小割りの引出収納を採用し、そこに普段使いの食器を収納することを提案しました。流し台の右側2列の引出がそれです。この、小割りの引出ですが、意外なことに、用意されているメーカーはとても少ないようです。

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家具などが入った状態です。右側にある引き戸は、食品庫の扉です。詳しくはちょっと一工夫で紹介したおりますので、こちらからどうぞ。冷蔵庫は、当初、扉がキッチンの方を向くように配置して、L型の目隠し壁をつくるように提案していたのですが、見た目よりも使い勝手を重視して、目隠し壁の採用は見送られ、写真のようなレイアウトになりました。

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ダイニングテーブルは友人の家具作家で、芦田建築工房の芦田さんに頼んで作ってもらいました。イスも、同じくと思ったのですが、予算的に厳しく、こちらは既製品です。ただ、無垢材のイスを選んでいただいたので、全体の雰囲気はとても調和がとれています。

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フリースペースと名付けた場所です。洗面脱衣室やトイレに面する廊下部分にクローゼットや収納を配置し、さらに通路部分を少し広くとることで、整理タンスを置く場所も確保しています。まさにご自由にお使い下さい、という感じの場所です。住み始めてからの感想をお聞きすると、このスペースは、本当に重宝しているご様子です。裏方部分が纏まっているのは、住んでいく上でも使いやすいようですね。
玄関に続くのは吹き抜けを持つ居間です。吹き抜けを設けたのは大きく二つの理由からです。一つは外的な要因、南側に経つ3階立ての建物により生ずる影を避けて陽差しを取り入れるためです。二階の窓からはいる光りは冬場は奥のダイニングまで届きます。二つ目は、内部空間としての豊かさを求めて、2階の個室ともつなげることで、視覚的な広がりを感じることができます。空調の負荷が大きくなるという懸念は確かにありますが、ダイニングとの間に間仕切り戸を設けることと、吹き抜けにシーリングファンを設けることで、その対策としています。


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写真正面の左下は、玄関へ続く引き戸。ここにもステンド用のガラスを入れています。海が近いので、きれいなブルーのガラスを選びました。上部にはアクセント窓を配しました。朝日が差し込むことを狙っています。

床は、徳島産のスギ板、壁は珪藻土塗りです。天井にもスギ板を使用していますが、大工さんが気を利かせてくれて、きれいな赤身の材料で揃えてくれました。節はありますけどね。節って気になる人にはどうにも我慢がならないモノのようですが、木は生長するために枝を伸ばします。その枝が節になるのですが、木には必要なものだと言うことなんですよ。これ、随分昔のことなんですが、数寄屋の建物を担当したときに大工さんから言われたことなんですよ。節がない方がむしろ特殊なんだって。それを聞いてから、ぼくは節に対する認識を新たにしました。勿論、節の無い方がきれいに違いないのですが、節があっても良いじゃないかと思うようになりました。それを選択するのは、施主であり、ぼくじゃないとも思っています。ただ、壁まで同じような節のある材料だとちょっときついかなと思います。今回はプレーンな感じの珪藻土なので、その点はバランスがとれていると思っています。

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2階の窓に面して、メンテナンス用のキャットウォークを設けています。そとのバルコニーからもアクセスできますので、お掃除もちゃんとできますよ。吹き抜けに面して階段を設けていますが、これも、なるべく無駄なスペースを排除するためです。階段下はテレビを置く場所になっています。

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階段を側面から見ています。階段の左側は1階も2階も開口部になっています。両方の引き戸を開けると、視覚的なヌケができます。これも広がりを感じさせる仕掛けです。1階右側ではダイニングとの間の間仕切り戸を階段下に引き込むようにしています。鴨居と階段と梁などが複雑に入り組んでいますが、何とかすっきり納めることができました。

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夜、照明をつけた状態です。照明計画はライティングパートナーズの加藤さんに協力してもらいました。吹き抜けの天井には照明器具がありません。部屋全体はダイニングとの間仕切り戸の鴨居上部に設置した照明で間接光を使っています。基本的には直接電球の光が目に入らないように配慮しています。煌々と明るいのではなく、落ち着いた雰囲気の照明となっています。また、階段左の建具が閉まった状態ですが、上の写真と見比べていただければと思います。

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階段は建具の枠と同じホワイトアッシュ材で作りました。蹴込みの部分が開いているのですが、これは施主の要望によるものです。すっきり見えますね。慣れないと、つま先を引っかけそうで怖いという意見もありますが、慣れてしまえば問題なしですよ。ただし、この階段、裏も表も見えるので大工さんにとってはたいへんだったようです。ちょっと見えにくいのですが階段上部の更に上、ここにルーバー窓を設けて言います。夏場の熱気はここから抜けるようにしています。

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階段を上がったところからキャットウォークを見ています。キャットウォークへは、個室を通り抜けてアクセスします。床はスノコになっており、その下に取り付けた照明の明かりが上にも漏れてくるようになっています。

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キャットウォークから個室の方を見た写真です。吹き抜けと個室との間は建具で仕切るようにしていますが、その建具を外すと、天井を連続させているので、吹き抜けと一体になり広がりを感じることができます。シーリングファンは効果的です。夏場は扇風機代わりになるようです。もちろん冬場にも天井付近の暖かい空気を下に吹き下ろしてくれて大活躍です。