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木についていろいろと調べていたときに、徳島で葉枯らし乾燥をしたスギ材(こもれび)があることを知りました。表面は圧密加工をしてあり、艶やかな表情をしています。オスモカラーなどの塗装をしなくても、まるで、塗装されたかのような表情です。また、葉枯らし乾燥(伐採後しばらく山で葉をつけたまま放置することにより、葉から水分が抜けていく乾燥方法のことです。良いことは判っているのですが、時間が掛かり効率が悪いため、現在ではあまり採用されず、機械による強制乾燥に置き換えられているところが多いようです。)をしているため、寸法安定性も、優れています。コスト的には決して安い材料ではないのですが、塗装が要らないことを考えれば、そんなに贅沢な材料でもない、そんな感覚でした。厚みは30ミリと15ミリがあります。

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いつか使いたいと思いながら、やはりスギの柔らかさ、つまりキズつき易さがネックとなって、説明しても、採用が見送られる、そんなことが続きました。初めて採用していただいたのは、内海の家でした。コスト的な配慮から、1階には30ミリ厚を、そして2階には15ミリ厚を使っています。

スギの良さは「その1」でも説明した通りですが、「こもれび」は圧密加工が為されている分、キズに対しては多少つきにくいようです。また、30ミリの厚さがあると、陽差しが当たる部分の蓄熱量もかなりあって、冬場は夜でもひんやりしないようです。また、夏場はサラッとした足触りも気持ちいいですね。

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その後、北名古屋の家(リフォーム)、武豊の家、岐阜の家で、採用されました。小さなお子さんや、お年寄りには、本当にやさしい床材だと思います。上の写真は、岐阜の家です。ここでは、中心部の赤身と周辺部の白太が入った、いわゆる源平材を用いていますが、経験的に、この色の違いは日焼けによって目立たなくなります。5年もすれば白太は日焼けで濃くなり、赤身は色が抜けて薄くなっていき、ほとんど色の差が無くなります。

木にはそれぞれ特徴があります。まだまだ私も勉強不足で、すべてを知っているわけではありません。スギは、良いところもありますが、収縮が激しいとか、キズがつきやすいなどのデメリットもあります。また、スギ材を使用する場合、節があるものと思った方が良いです。

節のない無地のスギ板もあるにはありますが、とても高価です。「こもれび」に関しては、無地だけという注文には応じていないようです。でも、家一軒分の材料を現場に入れてみると、数枚はきれいな無地の板が入っています。

ところで、機械で強制的に乾燥させたスギ材を梁に使ったことがあるのですが、表面は精油が抜けきっていたのを覚えています。艶やかな、葉枯らし乾燥をしたスギ材とはまるで違う表情でした。




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2010.06.02 キナリノイエ
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岐阜の家の完成写真を撮っているとき、夕景まで時間があったので、スタッフヤスイと喫茶店にて、打合せです。

武豊の家と岐阜の家は実は内外装などの仕様がよく似ています。勿論、家の形や間取りなどは全く異なりますが、基本的な考え方には共通している部分が多くあります。そこで、その共通している部分を現すためのネーミングを考えようと、あれこれ案を出してみました。

当初は、モイスを内外に使っているのを特徴として現そうと思って、モイスハウスとか考えてみたわけです。しかし、あまりに直球過ぎて、面白くないし、暮らしとかもっとソフトな部分が伝わらない。

そこで、思いついたのは、事務所を始めたときから意識していた「きなり」という言葉。辞書で引いてみると、生地のままで飾り気のないこと、とあります。まさにその感じを求めてみようと思っていました。

とにかく思いついた言葉を書き出してみます。家は、ハードウェアでもありますが、そこで暮らしが営まれる場所でもあります。

きなり
きなりのいえ
きなりの生活
きなりの空間

モイスという材料をそのまま使った壁や天井、スギ材を素のまま使った床。外壁はガルバリウム鋼板の素地板を使っています。僕としては、ある程度は意識していましたが、やはり、きなりな感じになっています。

しかし、きなりというキーワードは、ブログタイトルにも使用していて、なんだか近すぎてあまり意識していませんでした。でも、考えれば考えるほどぴったりくるなと思うにいったわけです。

さて、どうやって表記するか。キナリノイエ、もありだし、生成りの家、もありです。これは、もう少し検討してみようと云うことになりました。もう少しまとまったら、ホームページをアップデートします。




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モイスを内装材として使用する場合を考えてみましょう。モイスは、そのままで仕上げとして機能します。あらかじめ仕上げとして使うために、表面を平滑に加工されたボードが用意されているのです。

石膏ボードを貼りクロスや珪藻土などの仕上げをするといった二つの工程が、モイスの場合は貼るだけという、一つの工程で済んでしまうわけです。工程が一つ減るということは、コストダウンにつながります。実際、モイス自体は石膏ボードと比べると高価な材料ですが、石膏ボードに珪藻土を塗った場合と比較した場合は、モイスを仕上げとして貼る場合の方が価格は抑えられます。

石膏ボードの価格<モイスの価格
モイスの価格<石膏ボードに珪藻土塗りをした場合の価格
というような関係になります。

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一方で、良い面ばかりではありません。ボード状になっているモイスを内装に使用する場合、そのジョイント部分が気になる場合があります。私は、今まで2件の住宅(武豊の家岐阜の家)でモイスを内装に使用しました。また、既に完成した住宅の子供室に間仕切りを設ける際にも使用しました。いずれも、ボードとボードをそのまま突き付けて貼るという、最も単純な方法を選択しています。当然ですが、多少の目違いは起こります。ですので、予め施主の方には、その点を十分に説明をして、納得していただいた上で使用するようにしています。

実際の施工にあたっては、ステンレスのフィニッシュネイルという、針金のような細いクギを使って柱や間柱に直接留めていきます。大工さんにとっては、初めて使用する場合、やはり少し扱いにくいようです。また、突き付けて貼ると云うことは、言わば逃げが無いため、施工に際してかなり神経を使うようです。彼らにとっては、目違いが起こることなど、言語道断で、本当はクギ頭が見えることさえ許し難いことなのです。

それを解決しようとすると、目地部分を覆い隠す目地棒のようなものが必要になるなど、どんどん手間が増えて、更には見た目にもうるさい感じになってしまいます。大工さんには、先ずその辺りのことを十分に説明してから施工に取りかかってもらうようにしています。その辺りのノウハウがないと、単に大工さんとの間での揉め事になってしまう恐れもありますので、注意が必要です。


また、モイスの持っている特色を生かした使い方もいくつか試しています。モイスは、ビスの保持力が高いという特性があると同時に、ボードとしての強度がしっかりしていますので、コーナーなどに使った場合、石膏ボードのように欠ける心配がありません。

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私が試したのは、窓廻りの壁の納まりで、モイスを少し延ばして、窓枠が見えにくくするようにしています。同じことをしようと思っても、構造用合板ならば可能ですが、石膏ボードでは不可能です。

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窓を正面から見た武豊の家の写真です。窓廻りのモイスを延ばして貼っているため、窓の両サイドは、枠が見えないので、すっきりした感じになっているのが判りますでしょうか。窓の上は、障子の枠も見えなくなっています。何気ないことのようですが、石膏ボードを使った方法では、出来ませんので、ちょっと不思議な感じがすると思います。




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私はスギの床で暮らして、もう12年ほどになります。私が独立した頃に今住んでいる空間を自分で設計したのですが、そこには三河さんのスギ材を25ミリ厚に加工した板を使用しています。床は勿論、棚やテーブル、クローゼットのドアなど、造作材はすべてスギを使いました。そのときに、ほぼ同じ材料を名古屋事務所の床にも張りました。

スギを選んだ主な理由としては、足場板にも使用される安価な材料である、ということもありますが、その柔らかさのおかげで脚にやさしい、ということの方が大きかったと記憶しています。

ただし、スギは乾燥材が少ないため、収縮や反りといったアバレが出やすいといった側面も持ち合わせています。それから、柔らかさの代償としてキズがつきやすいということも、考慮しなければなりませんね。

当時は、乾燥に関しては、材木屋の協力もあり、屋外で野積み乾燥させる期間を4ヶ月ほど取りました。それでも、張った後は収縮が見られました。

スギの床で暮らしてみると、人に優しい材料であることを実感します。柔らかさのおかげで、スリッパ無しでも足が痛くなるようなことはありません。また、冬場でも、あまり冷たさを感じません。これは、例えばナラなどの堅木の床材と比べると、顕著に判ります。また、オスモカラーなどのオイルを塗っているのですが、皮膜をつくらないため、スギ自身は呼吸をし続けています。夏場に汗ばんだ裸足で歩いても、足裏の湿気を吸い取ってくれるのか、サラサラと気持ちが良いのです。勿論、室内の余分な湿気も吸ってくれます。直に座っても、大丈夫だし、時には寝ころんだりもします。夏などは、ちょっとひんやりしていて気持ちが良いですよ。小さな子どもが転んでも、柔らかいので安心です。

キズについては、当初から判っていたことなので、あまり気にないようにしています。25ミリもあると、キズが付いても材料の持つ力強さがあって、みすぼらしくは見えません。飼い猫のミロが爪研ぎに使うのにはちょっと辟易しましたが、敷物で隠してしまうと、あまり爪研ぎをしなくなりました。

スギの床で実際に暮らしてみて判ったことですが、スギの色について。スギの中心部の赤身は赤くて、周辺部のシラタは白っぽいのですが、5年も経つ頃には赤身の部分は色がだんだん薄くなり、シラタは陽に焼けて色が濃くなって、赤白の差がほとんど無くなりました。

スギ材は、中心部分の赤身は水に強い性質があり、色もきれいなため一般的に高価です。一方のシラタは周辺部でクサリにも弱く安価なんですね。で、赤身と白太が混じった板材を、我々は源平材と呼んで、赤身ばかりの板材よりも安価なため、予算がないときにはよく使います。確かに最初は、赤白の差が目立ちますが、数年で目立たなくなりますよ、とご説明すると、多くの場合はそれで納得されます。




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モイスは、まだまだ聞き慣れない方も多いと思いますが、ボード状になった建材で、一般名称としては硅酸カルシウム板(ケイカル板)と呼ばれるものの一種です。私も、初めてそれを知ったのは4年ほど前のことです。そして、今までに、武豊の家岐阜の家の、2件の住宅で、建物の内装と構造耐力面材、そして、防火構造体として使用しました。

見た目は、白いボードですが、近づいてよく見ると黒っぽくて小さな無数の斑が見られます。少し離れてみた場合は、この斑があるおかげで、表情のあるテクスチャーを見せてくれます。そして、いくつかの注目すべき特徴があります。

・内装仕上げ材となる
・吸放湿性能が高い
・不燃材料である(防火・耐火性能がある)
・構造耐力壁の面材として使える

まず私が注目したのは、内装仕上げ材としての、その吸放湿性能でした。内装に珪藻土を使うことは、それまでもいくつか経験がありましたが、石膏ボード下地の上に塗る場合、塗り厚は下塗りを含めても精々4.5ミリ程度です。勿論、これで十分な性能があるわけですが、モイスの場合は、ボードの厚さが9.5ミリあって、言わば無垢の吸放湿材を貼ると云ったイメージになるわけです。つまり、モイスは高い吸放湿性能が期待出来るわけです。

私自身は、珪藻土を塗った空間で生活していますが、そこで暮らし始めたときに気がついたのは、空気がサラッとして柔らかな感じがすると云うことです。モイスを使うことで、それと同じ効果、否それ以上の吸放湿性能が期待出来るのであれば、一度試してみたいと思うようになりました。

また、建物が、解体された場合、モイスは自然に戻ることも、大きな魅力です。多くの解体の現場で目にするのは、石膏ボードの処理に手こずっている姿です。石膏ボードは産業廃棄物として処分しなければなりませんが、殆どの建物で石膏ボードは使われています。今までは、石膏ボードを使わずに建物を建てるのは無理とさえ云われていました。

モイスは、湿気はもとより、シックハウスの要因になるような化学物質も吸着する性能がある上、内外に使用することで、防火性能や構造耐力としての機能まで併せ持つため、一つのシステムになることに気がついたわけです。そして、モイスを使うことで、石膏ボードを使わない家が実践出来るのではないかと思い始めました。そして、2件の住宅で実践してみて、今それが確信に変わりました。




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