2009.10.31 トーク&トーク
プロダクトデザイナーである、佐藤康三氏のレクチャーを聴いてきました。JIA東海支部愛知地域会の青年委員会が主催するトーク&トークというシリーズのセミナーです。私もその青年委員会に所属していまして、今回のレクチャーの準備をお手伝いしています。佐藤氏は今年の2月に続いて2回目で、今回は鋳物に関するお話をしていただきました。
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鋳物の世界は冶金学や鋳造といった理論から見ると膨大な世界が広がっているのですが、実践する立場から見るとさほど複雑でもない、その辺りのお話です。プロダクトの一つのパーツを創る課程を紹介していただきながら、実践的な立場で語られるお話はとても判りやすく、興味深いものでした。氏は日本全国の鋳物工場街を訪ね歩き、最終的に高岡市にたどり着いたそうです。ここは一点ものから対応してもらえて、且つ様々な工程を担う工場が集中しているという特徴があるそうです。木型をおこし、砂型をつくり、鋳込みをして成形、表面処理までの工程がクルマで10分以内の距離に集中しているのは全国でもココくらいらしいです。たとえば、家の表札などは鋳物でも比較的お手軽に出来るようです。実践的説明なので、途中の詳しい理論は全て省いて、出来上がりの姿のみを考えて指示を出すことがポイントであると、仰っていました。途中の工程は全て職人が考えてくれるそうです。信頼関係があってこその製作過程だなと思いました。

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写真は、途中で聴講者に廻して見せてくれた杯です。真鍮の鋳物製で、口があたる部分と底の部分がシルバーになっており、本体は古代色仕上げだそうです。要は、この形でココはこの仕上げにしたいと指示を出せば、あとの組み合わせ方は職人が考えてつくってくれるというわけです。口のリングなどはネジが切ってあるそうですが、各々のパーツの厚みやネジのピッチなどは職人任せと云うことですね。確かに、細かなところまで指示を出すことは可能だそうですが、それは理論を全て理解し、実線の場数を踏んだ上でないと、その指示のために無駄に高くつくことになりかねないのだそうです。まさに実践的な方法論すね。
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